譲渡におけるその時における価額
K&P税理士法人では、本コラムのなかで、税理士・スタッフが交代で、税制改正トピックなど、タイムリーで有益な話題を提供していきます!
(監修:社員税理士 林 宏二)
非上場株式を親族や関係会社へ安い価格で譲渡した場合、税務上は「時価」で譲渡したものとして課税されることがあります。
今回の裁決では、所得税法でいう「その時における価額(時価)」をどのように判断するかが争点となりました。
事案では、非上場会社の株式を保有していた人が、その株式を親族が経営する会社へ譲渡しました。
譲渡価格は訴訟上の和解によって決められていましたが、税務署は「その価格は時価の2分の1未満で著しく低い」と判断し、時価で譲渡したものとして所得税を課税しました。
これに対し、株式を譲渡した側は、「会社の支配株主と対立していたため、通常の評価方法では本当の価値を適正に反映していない」と主張しました。
しかし国税不服審判所は、所得税基本通達59-6に基づき、財産評価基本通達の方法で算定した価額を「その時における価額」とするのが相当であると判断しました。
また、株主間で対立があったとしても、それだけで通常の評価方法が使えない特別事情には当たらないとしました。
さらに、評価方法を形式的・画一的に定めているのは、評価する人の恣意性を排除し、公平な課税を行うために合理性があるとも指摘しています。



































