債務免除を行った場合の貸倒れ
先日、顧問先様から得意先に対して貸付債権を有していて回収可能性がないと見込まれない場合において貸倒れとして損金処理することはできますかとご相談がございました。
事業遂行上で取引する際に貸倒れの税務リスクを軽減するために一定の要件を満たした場合には貸倒れとして損金算入することは可能でございます。
そこで今回は「債務免除を行った場合の貸倒れ」の取扱いについて取り上げたいと思います。
法人税では、法人の有する金銭債権について、債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合において、その債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額は、その明らかにされた日の属する事業年度において貸倒れとして損金の額に算入することとされています。
A社は数年前から債務超過の状態にあり、回収が困難と認められるとのことですので、書面で債務免除をする金額を明らかにすることによって、貸倒れとして損金の額に算入できるものと思われます。書面は必ずしも公正証書等の公証力のある書面でなくても構いませんが、書面の交付を明らかにするため、内容証明郵便等により交付することがいいでしょう。
なお、第三者に対する債務免除であっても、金銭債権の弁済を受けることができるにもかかわらず、債務免除を行い、債務者に対して実質的な利益供与を図ったと認められるような場合には、その免除額は貸倒損失としては認められないこととなります。
いかがでしたか。
私どもK&P税理士法人では、最新の税制改正内容を踏まえた上で、しっかりアドバイスさせていただきます。ささいなことでも、お気軽にご相談くださいませ。