超富裕層への課税強化「ミニマムタックス」
こんにちは、尼崎のK&P税理士法人の
江畑 愛(えばた あい)です。
K&P税理士法人では、本コラムのなかで、税理士・スタッフが交代で、税制改正トピックなど、タイムリーで有益な話題を提供していきます!
(監修:代表 香川 晋平)
2025年分の所得から適用される課税強化策「ミニマムタックス」
についてご存知でしょうか。
所得税の税率は、納税者がその支払能力に応じて公平に税を負担するように、
一般的に所得が多くなるに従い段階的に高くなる
いわゆる「超過累進税率」を採用しています。
現在の税率は、5%から45%までの7段階の区分です。
ただし、株式や土地建物などの譲渡に係る所得については、
上記とは分離して課税(以下、分離課税)しており、
所得の内容に応じて税率は一定とされています。
たとえば上場株式等の譲渡であれば、所得税の税率は15%(復興特別所得税を除く)です。
そのため所得の内容によっては、
支払能力に応じた所得税の負担とならない場合があります。
実際に申告納税者の所得税負担率は、
所得金額1億円までは右肩上がりで上昇していくものの、1億円を超えると逆に右肩下がりで下降していくデータがあります。
このような状況等を踏まえ、
税負担の公平性を確保する観点から導入されたのが「ミニマムタックス」です。
ミニマムタックスの対象になる可能性がある方ですが、
一般的には所得が30億円を超えると対象となる可能性が高まりますが、
上場株式の譲渡のみでは、10億円程度で対象になるともいわれています。
対象者は少ないと予想されるものの、自身が気づかないうちに対象となる可能性もありますので、
下記の取引がある方についてはご注意ください。
- ・M&A や持株会社化、相続税納税等のために自社株式の売却がある場合
- ・多額の不動産売却がある場合
- ・特定口座(源泉徴収あり)での多額の売却や配当収入がある場合
以上
ご参考になれば幸いです。